相対性理論と一般相対性理論の違いはどこでしょ

相対性理論一般相対性理論の違いはどこでしょうか?相対性理論一般相対性理論の違いはどこでしょうか?相対(性理)論は特殊相対論と一般相対論の総称です。

 

特殊相対論は,相対性原理(どの慣性系でも物理学的関係の基本式は同じ形である)と光速度一定のふたつから導き出された力学です。1905年に発表された特殊相対論の論文の題名は日本語では「動いている物体の電気力学」(ドイツ語でZur Elektrodynamik bewegter Koerper),論文の最後には磁場内を回る電子の例が応用として書かれています。この例(加速度運動)でもわかるように,特殊相対論は,重力加速度以外の加速度を扱うことができる理論です。

 

一般相対論は,相対論的剛体(普通に言う「剛体」は変形しない物体のことだが,相対論的剛体は,その物体に対して静止した観測者には変形して見えない物体)の回転に関する考察から生まれたもので,回転座標系(非慣性系)への座標変換を可能にしました。もう少し具体的には,無限に小さい慣性系(局所慣性系)をリーマン幾何学によってつなぎ合わせて空間を書き表すものです。このつなぎ合わせ(接続)が重力を表しています。一般相対論では重力は外力ではないのです。

 

特殊相対論では真空中の光速度はあらゆる場所で一定(大局的慣性系)ですが,大局的慣性系を捨て去った一般相対論では,光速度はそれぞれの局所慣性系ごとに一定です。いきなりポンと光速度が変わることは許されませんが,地球から遙か彼方の宇宙空間で光速度が地球近傍とは違っても何の問題もありません。